
※DMMブックス限定電子購入特典ショートストーリー「八乙女皐月サマの受難」収録!
外から見るほどきれいな世界じゃないそれでも淡島に未来を思いたかった志村貴子が描く、夢みる少女たちの光と影──連載開始から約13年の時をかけて、ついに完結!
舞台に魅せられた者たちが過去を乗り越え、紡ぐ未来。
心震える青春群像シリーズ最終章。
美しい祖母の面影を持つ同級生・絵美に、強い憧れを抱いた桂子は、やがてその思いを憎しみへと歪ませ、絵美を孤独に追いやった。
深い悔恨を抱えて長い年月を過ごした桂子だが、自らの死を前に、教え子の若菜に告白をする……


コメント
不幸なことにアクチュアルな題材となってしまったが、人と人が関わることで生まれる濁りと光を、極力誠実に描いていると思う。
150pから数ページにわたる誠実な言葉。
しかもアニメ化決定したらしい。
昨年くらいか、志村先生ご自身が宗教3世であることをnoteで発信しておられたり、愛猫がお亡くなりになったりしていると知って、大丈夫かしらんと思っていた。
しかも本作の少し前に「おとなになっても」が完結したので、なおさら。
で、いま検索してみたら、知らなかった……新連載がふたつも。
一穂ミチ原作「オンリー・トーク」は納得の組み合わせ、これは単に期待しているが、
もうひとつが「そういう家の子の話」!
さすが創作者のガッツ。
心配など不要だったのだ。
この言葉がとても重い。
誰かが選ばれて、誰かは選ばれない世界で、憎しみを持たずに、それを表現せずにいられる人なんていないだろう。
誰だって後ろめたいところがある。
でも勝手に後ろ指をさし、気持ちをお察しして語る。
淡島じゃなくてもこの感情を誰もが知っている。
多かれ少なかれ、誰かを恨み、憎み、排除しようとしたことはあるだろう。
新約聖書に、誰も罪を犯したことのない者が石を投げなさい、とイエス様が言ったら、誰も石を投げなかった、という話がある。
だから語られる物語にセンセーショナルな意味を見出そうとしたり、語ろうとしたりする。
石を投げようとしてしまう。
例の件でもそうであるように。
「それでも」なのだ。
きれいなことだけの世界じゃないことを知っていて、絶対に許せないことがあったとしても、それを内包してなお美しさを見せようとする世界を観ている。
そんな自分も傍観者で共犯者であり、「それでも」そこに光を見ようとしている。
きっと何度も読み返すし、ずっと考え続ける。
噛みしめたい作品である。